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ドルの続伸と経済指標の影響
ニューヨーク為替市場で、ドル円は続伸し、アメリカの4~6月期GDP改定値や新規失業保険申請件数に市場の関心が集中しました。GDP改定値は前期比年率+2.8%と予想を上回り、個人消費も堅調であったため、アメリカ経済の成長が再確認されました。この結果、景気減速懸念が後退し、大幅な利下げの可能性が低いと市場では見られています。
ドル円は145.75円までの上昇が見込まれる一方で、今後のインフレ指標や雇用データ次第では143.45円まで下落するリスクも存在します。特に、FRBが注視しているPCEデフレーターの7月分発表が重要なポイントとなりそうです。
FRBの利下げに対する慎重な姿勢
FRB内では、インフレ抑制と雇用維持のバランスが引き続き重要な課題となっています。リッチモンド連銀のバーキン総裁はインフレが目標に達していないことを強調し、慎重な姿勢を維持しています。また、アトランタ連銀のボスティック総裁も、利下げ決定前に再利上げのリスクがないことを確認する必要があると述べ、利下げに慎重な立場を取っています。
一方、パウエルFRB議長は、労働市場の冷え込みを防ぐために「利下げの時が来た」と述べ、9月のFOMCでの利下げ開始を示唆しました。しかし、FRB内部での意見は分かれており、今後発表される経済指標がFRBの政策決定に大きく影響を与えることが予想されます。
個人投資家の戦略は?
個人投資家にとって、現在のドル高局面では、ドル建て資産への投資を検討する価値があります。ただし、FRBの利下げに慎重な姿勢と今後の経済指標次第で市場の動きが変わる可能性があるため、リスク管理を徹底することが重要です。インフレ指標や雇用データを注意深く見守り、柔軟に対応する投資戦略を立てることが求められます。
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